シェア9割超!インドネシアの親日感情を支える日本車

1469

インドネシアは親日国である。
外務省が2014年に実施した調査によれば、調査対象者の47%が日本を最も信頼できる国(次点:アメリカ14%)として挙げており、95%が信頼できる国だと回答している。

そして、日本に対する印象についての回答から見ると、そのような好感が、
1. 技術的に進んだ国
2. 経済的に進んだ国
というイメージに支えられていることがわかる。

日本車独り勝ち市場

このような国民感情が端的に表れているのが、インドネシアの自動車市場ではないだろうか。
既によく知られている話ではあるが、インドネシアにおける日本車のシェアは異常に高い。約94%という勝ちっぷりである。高級車カテゴリーになると欧州車が強いイメージがあるが、インドネシアでは所得水準の高低に関わらず、皆日本車。渋滞した道が日本車で埋め尽くされている絵は壮観だ。

日本の自動車産業は、現地で大きな雇用も生み出している。
帝国データバンクの調査によればインドネシアに進出している日本企業1,763社のうち製造業が932社(52.9%)、さらにそのうち明らかに自動車関連とわかる自動車部品製造、自動車操縦装置製造企業が112社であるが、裾野が広い産業であることを考慮するとその何倍もの数の企業が何かしらの形で自動車製造に関わっているはずだ。雇用されているインドネシア人の数に関する資料がないが、概ね工場を持っているであろうことを考えれば大きな雇用が生まれていることは想像に難くない。

そして日本企業と取引をしたい、日本企業で働きたいと思えば日本語を勉強する。実際、日本語学校の生徒に話すとそれを期待していたし、学校の掲示板には日本の製造業企業の求人広告が多数出ている。また、私のインドネシア人の友人は自動車メーカー向けにネジを製造販売しているが、彼は今日本語とドイツ語を勉強している。両方とも大事なお客さんがいる国なので、家族の方針として学んでいるとのことだ。

このような環境が整備されているとますます日本企業は進出しやすくなることを考えると、インドネシアと日本の関係にはある種の好循環があるように感じる。

日本のモノが売れる⇒企業が進出する⇒現地人を雇用する⇒現地人が日本文化、日本語を学ぶ⇒親日感情が高まる⇒日本のモノが売れる

さて、親日感情が高まることと日本のモノが売れることには正のフィードバック効果があるとすると、どちらがこの好循環の起点になったのだろうか?

親日感情は資源ではなく勝ち取った資産

確証はないが、恐らく親日感情が先にあった訳ではなさそうだ。
実はインドネシアでは1974年にマラリ事件という反日暴動事件が起こったことがある。 日本側にとって大きな衝撃があった事件らしく、その後文化交流事業を活発にするきっかけとなったとのこと。即ち、「親日」というのはそこにもともとあったものではなく、官民挙げての努力により築き上げられたものだ。
そして、日本語を学ぶ動機に日本企業との取引や就職があるということは、親日の重要なパーツに「モノが売れる」とか「雇用が生まれる」といった経済的な動機が含まれる。逆に言えばそのパーツが外れてしまえば親日という感情もそこまで根強いものではないかもしれない。

現在インドネシアは2.5億人もの人口を抱える市場として改めて注目されているが、日本の製造業、特に自動車産業が築いてきた親日の好循環を、日本のサービス産業も引き継いで発展させていくことを願うばかりである。