【就活体験記】大手外資系医療関連会社 〜人生を楽しむのが内定への近道???〜


 

弁護士を目指して法律の勉強をしつつ、海外に出て様々なことに挑戦した変人の私が、就職活動を通して気づいたことを語ってみようと思う。

就活をいつ始めるかは自由?

 私が就活を始めた2015年11月。3月解禁を考えれば、4ヶ月早い。しかし、動き出している人は何人もいた。当然、動き出してるのは外資志望がほとんどだが、内資大手もいくつかは説明会などをやっていた。つまりいつ始めるかは自由なのだ。

 2017年新卒組は、政府や経団連などの方針で超短期決戦と言われているが、超短期決戦で戦うかは本人次第なのだと私は気付いた。そして、外資証券や外資コンサルに入る人たちは早く始めた人たちだという共通項にも気付いた。

 かくいう私も外資証券や外資コンサルをいくつか受けてみた。エントリーが通るものはあった。しかし、何故か面接は落ちる。受かっても役員面接で落ちる。私は不思議でたまらなかった。12月終わりには焦りと不安に迷走を始めていた。この時、まだ私は《自分らしさ》をよく理解していなかった。

世界は甘くない

 そして、外資のインターン選考に一通り落ちた時に、これはどうやら自分に敗因があるのでは?と思い始めた。

 そんなときに、久々に会った父が読んでいる本が、応募して落ちた外資コンサルのTOPが書いた本だったのだ。

 

私「その本どうしたの?」

父「彼と昔交流があって。送ってきてくれたから読んでみてる。」

 

会えるなら会いたいと思った。駄目元でメールをしてみると会って話せるとのこと。正直、あれわんちゃん?みたいな甘い気持ちがあった。もちろん真剣に挑むつもりもあったが。

 六本木にある本社に伺い、彼にお会いした瞬間に、纏うオーラというと厨二っぽいがほんのコンマ数秒で自分の甘さを知った。

 1時間ほど話していただき、評価を伺ってみた。その中でも衝撃を受けたのは

「君はスロースターターだと思う。だから、今はまだ輝いていない。これからだよ。沢山の人に会いなさい。」

 

 私は一旦就活をやめた。けれども時間を無駄にしたわけじゃない。父の人脈や自分が築いた人脈を生かして、実際に沢山の人に会ってみた。財閥系総合商社で副社長まで経験した辣腕商社マン。優秀だが祖国の事情で徴兵されるも勉強を頑張り大手航空機メーカーで働いたセネガル人。世界をまたにかける外資営業マン…会うたびに自分の愚かさや甘さ、不勉強さを痛感するばかりだった。

自分らしさを見つける

 日課として朝か夜にやっていた坐禅を、60分伸ばして2時間やるようにした。全ての我欲を捨て無心になる。そして、只ひたすら《自分らしさ》を問い続けた。

 3月1日になり、大学がリクルートスーツ姿で溢れかえった。就活の解禁だ。学内セミナーを聞きに行って自分の変化に気づいた。

 

『この産業は果たして何年先まで続くのか』

『この社員は自分の未来を想像してるのか』

 

そうすると、急に名だたる企業の半数が面白くなく見えてきた。そしてなにより、求めている人材が普通なのだ。私は普通か?否。変人である。そして更に残りの半数が候補から消えた。

 残った企業は10社だけだった。だからエントリーも10社だけだった。エントリーした企業はどこもエントリーシートではなく面接で戦える企業ばかりだった。4ヶ月目にして分った《自分らしさ》は、経験した人生を言葉にできることだった。

 もちろん、いくつか落ちたりもした。が、トントン拍子に進む企業が多かった。周りの友人が自己分析や自分らしさに苦しんでいる間、すでに終えていた私は三歩先ぐらいを歩いている気がした。

就活は戦場でもある

 第一志望の企業は、世界的医療関連の外資にした。一次選考のグループディスカッションで同じ班だった都内の私大生3人と理系の院生2人。3人と話していくうちに、彼らが何も調べずに、何も武器を持たずに挑みに来た事が分かった。戦う自覚のない3人を私はゆっくりとそして正確に外野に追いやった。結果、見事に3人とも不合格だった。酷かもしれないが戦場とはそういうものである。

 二次選考では、自分がやってきた事を素直に話した。よく脚色する就活生の話を聞くが、面接官も馬鹿じゃない。それなら正々堂々素直に話そうじゃないか。なにより私の人生に脚色は無用だという自信があった。通過したのちに担当官になった人事部社員に、フィードバックを聞いたら、『最高に素晴らしい面接だった』という全くマイナス評価のない賛美だった。

 最終面接。部屋に入ると人事部長の女性が座っていた。キャリアを聞くと名だたる外資を渡り歩いてきた歴戦の戦士だった。彼女は、

『あなたが他人に自慢できる趣味はなんですか?』

『あなたのキャリア計画はなんですか?』

この二つしか聞いてこなかった。けれども、私にはこの二つの質問だけでも彼女は私を評価出来るに違いないと思えた。面接が料理の話で盛り上がった15分間は初めてだった。

 最後に彼女から、質問はないかと問われた。私はどうしても彼女に聞きたい事があった。

「あなたが考える10年、15年、20年後の役割を教えてください」

彼女は初めて笑いながら

「選考を受けた学生であなたが初めて聞いたわ。人事部長になると誰もきいてくれないの。」

そう言いながら彼女の答えを聞いた。私はその答えに心酔した。やはり目に狂いはなかった。この企業の社員はとてつもなく面白い。

 そして3時間後には私の携帯に、合格通知の電話が来ていた。歴戦の戦士からの賞賛の言葉付きで。

 

 よく趣味や部活動、インターン、留学を就活の為にする学生がいる。だが、それでは真に楽しむ事が出来たのか甚だ疑問がある。そして、その体験談を聞いた面接官もつまらないと感じるに違いない。ならば、自分の為にしたらどうだろうか?おそらく得るものも多ければ、話も面白く深みが増す。ようは人生を楽しんだ者が内定を掴み取る。それが就活なのかもしれない。