ドタバタ中国ビジネス立ち上げ記#3 退職と中国起業準備

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◇原田 甲子郎:国内大手金融機関の投資銀行本部にて資金調達業務に従事するも4年で退職し、中国に移住。日系家電メーカーの中国販売会社設立に参画し、現地トップとして経営を統括。現在、株式会社UNLOCK DESIGN代表取締役。香川県生まれ、湘南育ち。大学で知り合った中国人の妻と子供2人の4人家族。
◇連載『ドタバタ中国ビジネス立ち上げ記』
AWAYプログラムの原点となった中国でのビジネス立ち上げの記録。中国語力皆無にもかかわらず中国に移住し、販売子会社設立に参画。有象無象の中国ビジネスの現場で、無理難題に体当たりした体験を中心に綴る。
◇これまでの話
第1話:なぜ大手金融機関を辞め、中国に移住したのか
第2話:起業家に会いに、上海に行く

退職時の相談相手

会社を辞めるという話を事前に相談した人は少なかった。

「会社を辞めます」
「へぇ、随分思い切ったね。どこに転職するの?」
「いえ、上海に移住します」
「???」

「大きな安定した会社を辞めて、無計画で中国に移住する」という話を聞いたら、「こいつは頭がおかしいんじゃないか」と思われることは分かりきっていた。そもそもキャリア設計を描いた上での決断ではなく、「本能的なパッション120%」の決断であったため、ロジカルに回答出来ないことが怖かったのかもしれない。

相談したのは、主に以下の3人。キャリアについて共に考え、気軽に話せる人の存在は大きかった。ぼく1人では悶々と悩んでいただけで終わっていたと思う。

相談者#1 ハウスメイト

1人目は米国大学時代に知り合った外資系コンサル会社勤務のハウスメイトだった。彼とは投資銀行勤務時代、東京駅から徒歩圏内のマンションをハウスシェアしていた。そんな彼の最初の配属先は、タイだった。東京勤務を強く希望していた彼は、「2ヶ月間だけだから」と言われ、いやいやながらタイに出張していった。結局一緒に住んだ3年弱の大部分をバンコクで暮らしていた。

お互い深夜1時過ぎに帰宅し、コンビニで買ってきた夜食を食べながら話していた。中国関連のビジネスを展開しているおもしろそうな会社があったので、相談してみると、「その会社に入ったときの実際のお客さんって誰なの? Kohがやりたいこととは違うんじゃない?」条件がいい会社をみつけると、「その会社に行くなら、そもそもなんでやめるんだっけ?」などなど、スバリな指摘をいくつももらった。

僕が辞めるのとほぼ同時期に彼もコンサル会社を辞めて、創業100年以上の家業を継ぐべく、次なるキャリアへの道を進もうとしているところだった。どちらが辞めるムードを高めたのかわからないが、ほぼ同時期に辞めた。

相談者#2 妻

2人目は妻だ。上海でアツい経営者に会ったあと、中国移住宣言をしていたが、帰国してから2週間はそれ以上の進展はなかった。「やめるやめる詐欺」とでも思ったのだろう。

「あら、ほんとうに辞めるのね」

リアクションは薄かったが、妻の行動は早かった。翌日には、勤務していた会社に退職届けを提出し、彼女のアメリカ高校留学時代の上海在住の友人に、上海に引っ越す旨を連絡をしていた。

もともと妻は中国に移住(中国人の妻にとっては、帰国)することに、それほど積極的ではなかった。中国の高校を卒業後、アメリカの高校編入、大学進学、勤務と、合計8年ほどアメリカに住んでいた。結婚後は日本に移住しており、かれこれ約10年以上海外(中国国外)で暮らしていた。中国に帰って「浦島太郎状態」になるのがこわかったのではないかと、と予想する。

相談者#3 起業家

最後の1人は、起業家であり、現役経営者である高校時代からの友人だった。不動産デベロッパー会社に就職し、同期の中でなぜか1人だけ福岡に配属され、2年後福岡で不動産会社を起業した。数少ない日本時代の友人(小中高時代の友だちは片手で十分足りる人数しかいない)の中で、唯一起業しているのが彼だった。福岡に住んでいるため、会うことはほとんどないが、メール(チャットではなく、いつもメールだった)で近況を伝え、ビジネスの話をしていた。

福岡という小さいマーケットに飽きてきた時期らしく、上海に移住するという話に彼は高い興味を示していた。いつしか、話は上海で一緒に起業する、という話になっていった。

中国で化粧品通販会社を立ち上げるというアイディア

相談する中で、当然「じゃあ、上海で何をするのか」という話になる。

福岡で不動産会社を経営していた友人(上述の3人目)は会社を起こして数年間が経っていた。当時福岡では、化粧品通販会社がコールセンターを開設のため、オフィススペースを借りていった。羽振りのいい化粧品通販会社の社長との接点が増えるなかで、同じことを中国でも出来るのではないかと盛り上がった。

こうして、不動産屋と金融マンが、中国市場で、化粧品通販会社を立ち上げる、というありえないようなビジネスモデルで中国市場に乗り込むことになった。

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◇連載『ドタバタ中国ビジネス修行記』
第1話:なぜ大手金融機関を辞め、中国に移住したのか
第2話:起業家に会いに、上海に行く
第3話:退職と起業準備
第4話:起業準備のため上海へ再び行く(2016年4月投稿予定)

 

AWAY Collegeのプログラム紹介

UNLOCKDESIGN138

AWAY Collegeでは元リクルート米国法人社長監修のもと、マレーシアでのインターンやビジネスプログラムを運営しております。

本プログラムは、この体験記の執筆者でもある原田が、自身の立ち上げ経験をベースに設計しており、プログラムの中で、現地の消費者へのヒアリングやリサーチ、ビジネスミーティングなど、新興国のビジネス立ち上げを追経験いただくことになります。

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