ドタバタ中国ビジネス立ち上げ記 コラム#5 外地人をバカにする上海人

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「上海人はプライドが高い、上海出身以外の人(外地人と呼ぶ)をバカにする」、とすこぶる評判が悪い。一方、ぼくは外国人なので、第三者的な立場で、両者の争いを客観的に見ることができる。今回は、上海人サイドからみた世界について紹介する。

 

上海人の社長と上海人の営業スタッフが深圳出張から帰ってきた。旧正月前ということで、みんなでご飯を食べにいくことになった。「上海人」である営業スタッフ3人と社長は参加。「外地人」のスタッフ1人は先約がありパス。もう1人のカラオケで軍歌を熱唱する「外地人」の女の子は参加すると言っていた。夕方、その彼女が地元の言語で携帯電話に向かい大声で話している。

 

「ごめん。今日は行けなくなった。昨日実家にタバコを送ろうと、で沢山タバコを買ったけど、タバコは送っちゃだめなんだって。だから、返品してくる!だから、今日は行けない!」そう言い残して、新年の挨拶もそこそこに、彼女は勢い良く会社を出ていった。(*ネットで調べたところ、2カートンまでしか郵送出来ないらしい)

 

これで残ったのは、上海人4人と日本人の僕1人である。「外地人」は1人もいない。数人の上海人と僕という状況は、中国に来て以来初めてである。僕らは、旧フランス疎開の目抜き通りにある、焼き肉や刺身などが食べ飲み放題という老舗日本料理屋に行った。「上海人」と「外地人」に関連する話しは、僕の今朝の発言から始まった。

 

■硬盘

「あなたが”硬盘“って言ったら、あの子怒ってたねぇ、ははは」

 

以前、僕が上海人の営業スタッフに、上海語を教えてくれと頼んだ。彼は「硬盘」という単語を教えてくれた。「硬盘」とはハードディスクドライブのことである。上海人が作ったというこの単語は、「外地人」という意味である。なぜ「硬盘」が「外地人」を意味するのかが、気取った上海人っぽくておもしろい。

 

「硬盘で一番有名なブランドは、Western Degitalだろ。Western Degitalの頭文字は、WD。一方、「外地人」のピンインはWai Di Renで、こちらの頭文字もWD。だから、硬盘が外地人という意味になるのさ」彼が笑いながら、得意気に説明してくれた。

 

僕が今朝彼に何気なく、「地下鉄が普段に比べて非常に空いていた。硬盘がもう街にいないからかなぁ。」すると、近くにいた「外地人」の子に、「硬盘は良くない言葉だ。」と若干怒った口調で咎められた。

 

「硬盘」は新語であり、若い人やある一定の地域でしか使われないらしい。実際50歳オーバーの社長も、広州出身の嫁も知らなかった。この単語を使う時は、注意したほうが良さそうである。「上海人」が「外地人」をけなす時に使われる単語らしい。

 

食事中、他のスタッフの話しになった。僕は途中で、彼らの話しの流れの共通点を見つけた。色々とからかったり、おもしろいうわさ話をしたりするのだが、最後はかならず、「でもさ、性格はいいよね。」で終わるのである。しかも全員がしんみりと、「うん。うん。」とうなずく姿がバカウケである。

 

性格はいいよね その1

上海人A「あの子、輪ゴムで髪の毛時々結んでるよね、ははは。」

上海人B「こないだも、○○でさぁ、ははは」

上海人C「でもさ、性格はいいよね。」

上海人全員:「うん。うん。」

 

性格はいいよね その2

上海人A「あの子、脇毛すごいよね。男より量多いよ、ははは。」

上海人B「顔も男らしいよね、ははは」

上海人C「でもさ、性格はいいよね。」

上海人全員:「うん。うん。」

 

僕は彼ら上海人に、上海人の話の流れの共通点の話を指摘した。すると、全員爆笑である。

その後は、その場にいるメンバーを散々からかったあとに、「でも大丈夫。あなたは性格はいいから。」でシメることになった。

 

外国人という第三者の視点からみると、「上海人」と「外地人」という、あまり意味のない区分けから生まれるストーリーが、僕にとっては、最高の笑いを提供してくれる。笑った夜であった。

 

「上海人」とはかくもおもしろい人たちである。一方で、外地の人、とくに田舎出身の人が暮らすのは、さぞ大変だろうなとも思った。

 

chinabiz

◇連載『ドタバタ中国ビジネス修行記』
第1話:なぜ大手金融機関を辞め、中国に移住したのか
第2話:起業家に会いに、上海に行く
第3話:退職と起業準備
第4話:起業準備のため上海へ再び行く

 

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