ドタバタ中国ビジネス立ち上げ記 コラム#3 中国の忘年会は、がんばって生きて帰るべし

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会社の忘年会に参加した。

感想。生きて帰って来れて良かった。

 

中国の忘年会がどういったものかご存知ない方に簡単に説明する。

中国の忘年会とは、

 

1.飲む。

2.もっと飲む。

3.もっともっと飲む。

4.1〜3を繰り返す。

 

社長からの乾杯音頭により、宴が始まる。用意されたお酒は、ビール、赤ワイン、紹興酒。白酒はなかった。命が救われた気がした。白酒はアルコール度数が56度もある、非常に強い酒。宴会でこのお酒が出るたびに、記憶が飛んだ。

中国に来て間もないころ、宴会で白酒をワイングラスになみなみと注がれ、「乾杯」をした。一瞬だが、中国に来たことを、真剣に後悔した。

 

中国の忘年会での「飲む」基本作法を説明する。

 

1.社長&経営層が各テーブルを周り、テーブル全員と「乾杯」をする。「乾杯」とは文字通り、杯を乾かすこと。つまり、一気飲み。今回はグループ会社の工場と合同開催した忘年会だった。社員が300人以上。テーブルは30テーブルある。中国で会社経営をするとは、本当に命をかけた仕事である。

 

2.社員間でもお世話になっている人のテーブルに行き、「乾杯」をする。自分のテーブルに部下が「乾杯」をしにくるのである。座っている人と、立っている人の割合は半々。酒瓶を手にうろちょろしている人も大勢いる。全員と乾杯することを目標としているのか分からないが、記憶にある限り、一度しか話したことない人も、「乾杯」しに来た。

 

中には、気を使ってくれる人もいて、「一気飲みしなくてもいいよ。飲めるだけで、いいよ。」と言ってくれる。天使の横には悪魔がいる。「何言ってるんだ!俺も一気する。だから、お前も一気だ!」こうなったら、もうどうしようもない。「乾杯」するしかない。

 

中国の忘年会は「飲む」以外に、もう一つイベントがある。それは、「抽選会」である。抽選会の景品は社員によっては、1〜2ヶ月分の月収に相当する。「乾杯!」と威勢良くグラスを直角に傾けている人たちも、抽選の時はステージに注目する。

 

抽選のタイミングが興味深い。日本であれば、抽選会といったメインイベントは最後のほうに行われると思う。商品は1〜5等賞まであった。乾杯の後、5等賞の抽選がほどなくして行われた。4等賞は15分程度間を置いてから、抽選が始まった。抽選会少し早くないか、という感覚を持った。しかし、この抽選会のタイミングのカラクリは後ほど、忘年会企画委員会からの企画裏話で分かった。

 

当選した人はステージでパフォーマンスをするのがルール。用意されたものは、マイクのみ。音楽もなければ、カラオケもない。ハードルが高い。

 

「生まれつきパフォーマー」が多い中国。そんなハードルの高さはものともしない。四川省から来た少数民族の人は、地元の歌を熱唱。若者は最近のヒットソングを若干の振り付けも交えながら熱唱。アンコールに応え、2曲も歌った。これ全部アカペラ。歌えない人は、自分の赤ちゃんをネタに、1人コントをする人もいた。中国人あっぱれである。

 

忘年会の後、忘年会企画委員会から裏話を聞いた。

忘年会の目標

 

1.暴動が起きないようにする

2.怪我人・死人が出ないようにする

 

実際、過去に、工場の忘年会で暴動が何度も発生していたらしい。安徽省vs湖南省など、出身地ごとに「男」が分割され、瓶ビールを勢い良くテーブルに叩き付け、暴動が始まる。工場には多くの人間がいる。ラインや倉庫係で勤務する人間は、所得ピラミッドの底辺に属する人も多い。何をするか分からないのである。

 

この二つの忘年会の目標を聞いて、全て納得した。

 

1.なぜ、1年に一度の忘年会が2時間と短めなのか。

2.なぜ、おめでたいお酒である白酒が出ないのか。

3.なぜ、抽選会が最後にまとめてではなく、細切れに行われるのか。

 

全ては、「飲ませすぎない」ための仕掛けだった。忘年会を2時間以上すると、アルコール摂取量が増え、暴動が起きやすくなる。アルコール度数が56度の白酒だと、飲み過ぎて、暴動が起きやすくなる。細切れに抽選会を行い、ステージに注目を集めることで、「乾杯」を一時中断させ、場の雰囲気を落ち着かせることが出来る。

 

このように、中国の忘年会に参加するということは、非常に大変な仕事なのである。暴動のリスクをにらみつつも、飲み続ける。中国の忘年会は、ハンパではない。

 

あぁ、よかった。生きて帰れて。

chinabiz

◇連載『ドタバタ中国ビジネス修行記』
第1話:なぜ大手金融機関を辞め、中国に移住したのか
第2話:起業家に会いに、上海に行く
第3話:退職と起業準備
第4話:起業準備のため上海へ再び行く

 

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