【世界の就活】中国人のインターン事情


インターンは中国語で「実習」といいます。インターン生は「実習生」。

日本語でインターンと聞いても、「なんじゃそら?」っと思っても、実習生と聞くと、「ふむふむ。キミがんばってるじゃないの」っと思う方も多いのではないでしょうか。

これを機に、われわれも”Global Internship Program”や”海外インターンシップ”と呼ぶのはやめて、”亜細亜実習生募集中夜露死苦”と漢字で書いたほうがいいのでしょうか。

冗談はさておき、今回は中国におけるインターンシップ事情と、インターンシップの探し方について書きたいと思います。中国といっても、国土面積が日本の約25倍、人口は10倍と大きな国です。この大国を一般化するのは到底ムリなので、今回書くことは上海勤務中のぼくの周りで起こったことです。

中国における就職難の原因

中国共産党メディアの人民網日本語版には史上最悪の就職難に直面する中国というタイトルで特集ページ組んでいます。

人口は多いし、アグレッシブな人が多い中国。競争は激しいです。

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就職難の原因として以下6点が挙げられています。

1. 国内外の経済情勢変動

2. 大卒生過去最多

3. 求人需要と大卒生のマッチング度が低い

4. 就職における様々な差別

5. 海外留学帰国者の増加

6. 就職難時代に不平等な現象が存在

中国の新卒は700万人

人民網によると、2013年に中国全土で普通大学を卒業する学生の数は、昨年比19万人増の699万人に達し、新中国成立以来、大学卒業生数の最多記録を更新したようです。

日本の大学卒業者数が55万人。このうち就職希望者数が38万人(参照資料)。人口が多いため、競争はとてつもなく激しそうです。

中国では関係(Guan Xi)が非常に重要です。企業との関係(Guan Xi)がない学生は、インターンをして、企業に入り込む必要があります。「関係」については後述します。

中国インターン事情~一人っ子はバイトできない

「もうやんなるわ。これだけの時間を割いて応募し続けているのに、1社も私を採用してくれないなんて。中国では良いインターンを見つけて経験しておかないと就職のときに不利になる。自分の力を企業に証明するのに必要だから。企業は、仕事経験のない人間を採らないと思う」。

では、中国ではどうやってインターンを探しているのでしょうか。

<中国人インターンシップの探し方>

いくつかあります。

  • 就職説明会・キャリアフェアで探す
  • ウェブサイトで探す
  • コネで探す

就職説明会・キャリアフェア

中国でキャリアフェアには行ったがないので、現場の雰囲気はわかりません。どんなものがあるのか検索してみました。

中国語で就職説明会は「招聘会 Zhao Pin Hui」といいます。Googleトップに出てきたのがこのサイト。中国全土の就職説明会のポータルサイトのようなものです。

招聘会网_全国招聘会信息网_2013年招聘会大全_zph.com.cn

The中国といった感じのウェブデザインで、バナーが点滅しており、目がチカチカしてきます。ページを閉じたい衝動をおさえ中身を見てみます。

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数が多すぎて、めまいがします。その中に日系企業の就職説明会を見つけました。

[2013年11月23日]上海日语、日企人才招聘会-上海日语日本企业招聘会(光大会展中心招聘会)_上海光大会展中心招聘会_招聘会网

サイトの写真がどの就職説明会の写真か分かりませんが(中国のウェブサイトの写真ほど信用できないものはありません。不動産物件の紹介でも、紹介文と全く関係のない物件の写真が平気で掲載されたりします)結構な參加人数です。

日本のように、リクルートスーツなんぞ着ている人はいなさそうです。

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各大学でもキャリアフェアを開催しているようです。

北京大学は、インターンシップの募集会を頻繁に開催している。以前、筆者が見学に行ったイベントでは、北京にある様々な大学から集まった学生たちが、約50の企業が提供した1200のポストを争った。From 中国インターン事情〜一人っ子はバイトできない:日経ビジネスオンライン

ウェブサイト

日本でいうリクナビやマイナビのようなウェブサイトは中国にも無数にあります。どのサイトも企業のバナーだらけで、目がチカチカします。一瞬でクローズしたいウェブサイトを作るとしたら、こんなサイトが出来ると思います。

招聘_人才网_找工作求职_上前程无忧

招聘_求职_找工作_上智联招聘人才网

招聘人才_找工作_上中华英才网 -中华英才网首页

应届生

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インターンから正社員へ

以前上海で仕事をしていたころ、上記の51job.comで営業兼日本語通訳・翻訳のポジションを募集したところ、数日間で30件以上の応募がありました。”いろんな人”が応募してきてくれました。どんな人が来たかを紹介します。

  • 120キロぐらいある男性。バギーパンツを履き、ヘッドフォンで音楽を聞きながら会社訪問。一目見て、会社を代表して外に営業しにいくような感じではなかったのでの、入り口でお帰り願おうかと思いました
  • 彼氏と一緒に訪問。緊張しているのか、何を聞いても、蚊の鳴くような声で「はい」としか答えない。
  • 自己紹介をお願いすると、前職のグチを延々と話すおっさん

まともな人も数人いました。そのなかで採用したのは、卒業4ヶ月前の当時大学4年生の女の子。上海から電車で約7時間西に行ったところにある江西省の大学から、仕事を探しに上海に来ていました。

大きな声でまぁまぁしっかりした日本語で質問に答えていました。最後に質問は何かありますか、と聞くと。

「今はまだ大学生ですが、6月に卒業します!安くてもいいです!働かせてください!インターンでもいいです!お願いします!働かせて下さい!」

ものすごい気合い入ってました。

希望給与を聞くと、それで上海で暮らしていけるの?っという金額。上海に来て間もないため、上海の相場を分かっていない様子。新卒という不安はありましたが、タフそうだし、がむしゃらに頑張ってくれそうな気がしたので、インターン生という形で採用することにしました。

彼女は4ヶ月インターンしたあと、大学を卒業。卒業後は正社員として働きはじめ、もうすぐ3年目に入ります。給与もインターン時の倍以上になりました。念願だった日本出張も今年度中に叶いそうだと、先日連絡がありました。

彼女のように、田舎出身者で上海にコネがない学生は、インターンをして企業に潜り込み、仕事を見つけるようです。

コネ・ 関係(Guan Xi)

中国はコネ社会です。誰を知っているかで、その人の価値が決まります。誰を知っているかは本人でなくても、親や親戚の知り合いでも大丈夫です。周りを見ていると、むしろ親や親戚のコネのほうが強力な場合が多い印象を受けます。

米国大学時代の中国人の友人もコネで就職先を見つけました。彼女の米国高校留学時代の友人が上海に住んでおり、その友人のご主人は上海最大メディアグループの広告部部長。友人に上海で仕事を探していることを話すと、そのメディア会社に就職すればいい、とのこと。部長さんのプッシュもあり、就職が決まりました。後々聞くと、その広告部の社員さんは半分がコネ入社。

そのメディア会社広告部には常にインターン生もいるらしいですが、ここはコネ入社は一切なし。多くは上海復旦大学から優秀な学生を集めていました。月給はあってないようなもの。5000円ぐらいです。超大企業のインターンだと無給でも人はいくらでも集まるのでしょう。聞くと、インターンからの正社員採用のルートはないとのこと。採用のルール全くわかりません。

関係(Guan Xi)ってなに?

中国における関係(Guan Xi)の考え方は、中国社会を理解する上で非常に重要です。このトピックだけで一冊の本が書けてしまいます。

関係(Guan Xi)について初めて知ったのは、大学の授業。戦略の授業でアメリカ人の教授が、「Guan Xi!! Guan Xi!! Guan Xi!!」と叫んでいたのを覚えています。課題図書を読みましたが、内容は今となっては覚えていません。

渡中前、この本を読みました。中国でインターンしたい人は読んでおくいいかもしれません。

ビジネス等で中国人と交流を持つ人々で、

「いったい全体、なぜそうなるんだ?」

「どうして、そうなんだ?」

と、相手の考え方や行動に理解不能なものを感じる人は多いだろう。

本書は、そうした人々のために書かれた。本書を読むと、一人ひとりの、あるいは集団としての中国の人々の行動と思考、感情の源の一端がわかるはずだ。そして、それが決して共感不可能なものでないことも。

 

関係(グワンシ) 中国人との関係のつくりかた

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700万人もいる新卒の中から一歩抜き出し、自分がやりたいことを出来る会社に就職するためにはコネをフル活用し、コネがなければ、複数のインターンをして、企業に売り込みまくるしかないです。

今の日本に、

安くてもいいです!働かせてください!インターンでもいいです!お願いします!働かせて下さい!」

っと面接で絶叫できる大学生はどれぐらいいるのでしょうか。

 

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