◇常井裕輝:webコンサル、地域活性NPO、子育て支援、カメラ輸出、教育事業、メディアの立ち上げなどを経験し、現在文部科学省と産業界の協働プロジェクト「トビタテ留学JAPAN」を利用して東南アジアに拠点を移した半ノマドワーカー。水戸第一高等学校卒業。上智大学法学部3年次休学中。
◇連載:「飄々日記~東南アジア編~」大学進学を機に上京。物心ついてから大学入学まで海外経験なし。そんな彼が東南アジアで見たこと、感じたことの日記。茨城県水戸市生まれ水戸市育ち。

 

7:30

起床。
身体中が痛いのはなぜだろう。
朝は静かでいい。誰にも邪魔されないし光が綺麗だ。
シャワーを浴びる。

8:00

こんなものを読む。「最貧困女子」に関するレポート。
性産業の女性セーフティーネットの方が、行政の提供するそれよりもはるかに使いやすく、質が高く、包括的であるらしい。

こういった現象を議論する際に必ず登場する意見が「自己責任論」。対象は貧困だけではなく、社会的弱者や様々なヒエラルキーで自分より下位に位置する人に対しても「自己責任論」が使用される。その中にはもちろん、完全に自分に帰責する人もいるだろう。しかし一概に自己責任と言うのはどうなのだろう。自己責任論が機能するのは、自分と相手の機会が平等だった時のみだ。

また、こんなこともあるだろう。高卒で就職する学生がほとんどの学校、東大・京大に進学する学生がほとんどの学校、ハーバードやオックスフォードなど海外の大学に進学する学生がほとんどの学校の3種類があり、それぞれがお互いの存在をあまり認識していないとする(認識していたとしても、お互いを「住む世界が違う」と考え情報をシャットアウトしてしまうだろう)。

すると、高卒組にとっては高卒が当たり前だし、東大・京大組にとっては進学が当たり前。海外組にとっては世界大学ランキングで進路を決定することが当たり前、ということになる。もしこの3者が集まれば、「何で進学するの?」「何で海外に出るの?」「なぜ日本出ないの?」という議論になり、平行線を辿るはずだ。

高度に情報化された現在では、理論上あらゆる情報にアクセスすることが可能だ。しかし未だに検索による「能動的に情報を取りに行く」ことが主流である。となると、完全に未知の領域の情報に対してはそもそも「検索できない」のでアクセスできないことになる。

しかし、全く違った環境にいる人との対話によって新しい概念を獲得することが可能となる。そうすればそれが核となり、一気にその分野の情報を取り入れることができるようになる。そのため、前述のような機会が頻繁にあれば良いと考える(でなければ、階層/領域の固定化が一層激しくなる)。しかしわたしはそのような動きを知らない。知らないし、仮にあったとしても、実施される時期や、親の収入、支援制度の有無でその後に取る行動は変わるだろう。

仮にこの世界が「社会的成功を手にするためには世界の大学ランキング上位を目指すべきだ」ということが自明な世界だとしても、様々な理由でそこを目指せない場合もある。そこを考えずに「自己責任」と片付けるのは単純すぎる。他にも自己責任論を積極的に賛成したくない理由がある。

よく知られた経営学の理論に「イノベーター理論」というものがある。これは1962年にスタンフォード大学の社会学者エベレット・M・ロジャース教授が提唱したイノベーションに関する理論で、簡単に言えば「消費者の新しいものへの飛びつき度を分類したもの」である。

消費者を「イノベーター、アーリーアダプター、アーリーマジョリティー、レイトマジョリティー、ラガード」に分類した。真っ先に新しいものを取りに行く「イノベーター」グループは全体の2.5%で、彼らはその「新しさ」に反応している。それに続き全体の13.5%を占める「アーリーアダプター」が「新しいもののメリットを自分で判断し」周りに先んじて取りに行く。彼らの動向を見た「アーリーマジョリティー」が、慎重にメリットデメリットを考え新しいものを取り入れるか否かを判断する。続いて「レイトマジョリティー」が重い腰をあげる。最後の「ラガード」は、もはや伝統にならなければ取り入れない層だ。同じものを与えてもこう差が出る。

また、よく知られているパレートの法則からの派生だと思うのだが2:6:2の法則というのもある。ある組織を作った際、構成員の2割はバリバリはたらき、6割はそこそこ頑張り、2割は手を抜くというものだ。そしてバリバリ働いている2割だけでチームを組織しても、同じように2:6:2の法則がはたらく。

これら二つは、種族または共同体の生き残りのために機能しているのではないかと感じる。すべての人が新しいものをいち早く取り入れ、それが危険なものであった場合、一瞬で絶滅してしまう。逆に、誰も新しいものに飛びつく者がいなければ社会は進歩するのだろうか?あえて危険を冒す一部の人がいるおかげで、人類の発展があるのではないか。そしてそのような人を「ファーストペンギン」と呼ぶ。

また、すべての人が一生懸命動き働き続け、疲弊している間に想定外の自体が発生したら誰が対応するのだろうか。逆に、全員が「いざ」という時のために体力を温存していたら、今の社会はどうなってしまうのだろうか。というわけで、新しいものへの反応度や仕事に対する取り組みに関してはある種「プログラムされている」面があると考えている。

というわけで、何でもかんでも「自己責任」という論は好きではない。

9:00

「AWAY HOUSE」で上司と合流。語学学校の「A to Z language center」に向かう。途中でローカルのお店に立ち寄り、朝ごはんを食べる。人気と思われるうどんみたいな麺料理を食べる。麺より焼きおにぎりを入れたほうが美味しいのではないかと考える。

9:30

「A to Z language centre」に到着。今日はここでお祭りが開催される。流しそうめんの設置をする。

11:00

日本での就職ブースの手伝いをする。桜リクルートの美人姉妹と同じ部屋だ。
アジアで支社の立ち上げを行っているインテリジェンスの方もブースに遊びに来てくれた。

13:00

お昼に唐揚げ弁当を食べる。チキン照り焼きもあったが、日本人勢は皆唐揚げ弁当を選択。これが文化か。

16:00

片付けを始める。

17:00

桜リクルートの美人姉妹と上司と一緒に写真を撮って解散。
帰り道にある「EL SiD’s」というメキシカンレストランに入る。フローズンマルゲリータを飲みつつ作業する。
白人が多い。ギネスを飲みながら作業している白人もいる。日本ではあまり見ない光景だ。

18:00

お店を出る。
スーパーで買い物。

18:30

帰り道の太陽が綺麗。写真を撮る。

Screen Shot 2015-09-23 at 5.03.21 PM

19:00

「AWAY HOUSE」到着。
久しぶりにゆったりしようと、kindleで本を購入する。漫画の「マギ」と、ラフカディオ・ハーンの「日本の面影」。「日本の面影」は、私と同じ「トビタテ留学JAPAN」の2期生で、とても素敵な文章を積み上げていく慶應女子にオススメされた本。読むしかない。4日にクアラルンプールを訪れるらしいからその時に語り合えるように。

19:30

「日本の面影」を、大理石の少しひんやりとした床に身を投じて読む。目を瞑る。

ゆったりと回転する天井の扇風機が送る優しい風が感じられる。家を覆う雨の足音が聞こえる。大理石の冷たさと、天井の明かりの暖かさと相まって、そよ風を感じながら川の浅瀬で仰向けに寝ているような感覚になる。

21:00

いつの間にか大理石の床の上で寝ていた。疲れたのだろう。ベッドで寝ることにする。

1:30

同居人が部屋を訪ねてきて目がさめる。タクシーの支払いでトラブルらしい。
自分は大きなお金しか持っておらず、運転手はお釣りを持っていないということで、料金を支払えないとのことだ。

2:00

チョコレート、タルト、焼き菓子専門店「ブールノワゼット」のサイトの改善提案をする。
半年後くらいにはリニューアルされているだろう。

3:30

寝れないので、Aimerのアルバム「Sleepless Night」を流す。
このアルバムは、高校時、大学受験の勉強をしながらよく聴いていた。ちなみにAimerは「No.6」「ガンダム」「ブリーチ」「Fate」「残響のテロル」などに楽曲提供している。

そういえば、「No.6」は、あさのあつこの小説が原作のアニメ。小学校の時に貪るように読んでいたことを思い出す。

こんなものを見つけた。アニメにAimerの曲をくっつけたもの
知っているものも知らないものもあるけれど。深夜テンションだからかもしれないけど泣けてくる。

しかしよく作るなこんな動画。私も何か人の心を動かせるものを作れるようになりたい。

4:00

なんだかんだピアノの音が一番好きだと気がつく。

外人のすごいYoutube Channelを見つけた。アニメの主題歌の英訳verがたくさん載っている。
「進撃の巨人」で最も有名な曲「紅蓮の弓矢」、そのLullaby verとかあって驚き。

こんな風にしてコンテンツが世界に広がっていくんだ。
この男の人もすごい。なんじゃこりゃ。日本人は絶対こんなに自分を出さない。

感動したからビール飲む。

4:30

ウクレレで「塔の上のラプンツェル」の「I see the light」とアリアナグランデの「one last time」を練習をする。

5:30

青い鳥症候群を批判する記事を読んだ。私には青い鳥症候群の何が悪いかがわからない。なんでもかんでも「普通」と違う人を病人にしたいだけなのではないか。
理想を常に追い求め続ける姿勢こそが、人類を発展させてきたのではないだろうか。
上には上がいると教えられ、常に上を目指せと言われ続けてきた。社会に出た瞬間に「いつまでも青い鳥を追うな」と言うのか。それは熱意や追うべきものを見失った人が、自分を正当化するために言っているだけなのではないか。

6:30

上智大学の友人がソフトバンクのインターンで優勝したらしい。この子は心から尊敬できる数少ない友人の一人だ。ヴァイオリンを弾く、英語がペラペラな文学少女。英語が話せるだけではなく、どんな場所でも人見知りせずはきはきと堂々と話せる。すぐに誰とでも仲良くなれる。そしてかわいい。無敵じゃないかと思う。営業やったら勝てる気がしない。ましてや海外営業なら、今の私では同じ土俵にすら立てないだろう。

7:00

「じげん」でインターンしていた上智大学の後輩が、夏休みにミャンマーでバックパックをするらしい。そのトランジットでクアラルンプールに寄ると前々から聞かされていたのだが、ついに到着したらしい。空港のwifiを利用して到着の連絡をくれた。

7:30

もう朝だ。体力の限界らしい。
急激な眠気に襲われ、突っ伏して寝る。

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◇連載『飄々日記〜東南アジア編〜

8日目:より良い暮らしと引き換えに、共同体の解散を求められたら
9日目:ただひたすら、Photoshopいじりを続けた
10日目:「自己責任だろ」は何の解決になるのか
11日目:ダイエットストライキの不思議
12日目:学と旅は視野狭窄への特効薬

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